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茶柱コラム

〈食と美と健康〉茶殻も食べてみよう〜                      

 断捨離という言葉を最近良く聞きます。しかし、昭和生まれの私には、それより「もったいない精神」の方が勝っていて、中々、物を捨てられません。食べ物に対しても、出された料理は、残さず食べようとします。決して卑しいわけではありませんが、それ故、たまには食べ過ぎることもあります。逆に、フードロスという言葉も良く聞きますね。これは、本来、まだ食べられるのに捨ててしまうことで、食品ロスともいいます。食べ物を捨てることはもったいない気がしますし、同じことがお茶にも言えるのです。私はこれまで、お茶の機能性を長く調べてきましたが、お茶を淹れた後の茶殻には、まだ体に有効な成分が多く含まれているのに、多くは捨てられているのです。これこそ「もったいない」ではないでしょうか。

茶殻にも栄養が残っている(なんと70%も!!)

 ペットボトル茶が流行っているとはいえ、お客さんが来られた時には、急須を使ってお茶を淹れます。残った茶殻は、みなさんどうしていますか。淹れたお茶には、カテキンやカフェイン、アミノ酸のテアニン、水溶性の食物繊維やビタミンCなどが溶けだしています。一方、脂溶性のビタミンA(β-カロテン)、ビタミンE、不溶性の食物繊維、ミネラル(カリウム・鉄分・亜鉛・フッ素)などは、茶殻に残ったままです。しかも、その水に溶け出ない成分は茶に含まれる栄養素の約70%にも及んでいます。食べないのは、もったいない話だと思うのですが。

茶殻を食べてみよう

 茶殻は水分が多く腐りやすいので、茶殻の抗菌効果や消臭効果を利用する場合には、一旦乾燥茶殻を作る必要があります。この手間が大変です。しかし、湿った茶殻をそのまま食べることもできるはずです。特に、玉露や上級煎茶であれば、また、新茶なら見た目も美しく、食べてもおいしく、そして、栄養も摂れます。

 そのまま食べてみると、苦みや渋みを味わえますが、簡単な調理としては、茶殻をごま油と炒め、塩や醤油で味を調えれば、お酒のつまみか、御飯のお供になります。魚介類の天ぷらを揚げるときに、衣に刻んだ茶殻を混ぜれば、魚介の臭みを消し、また色目も良くなります。茶殻に含まれるポリフェノールによる抗菌・消臭作用を料理に生かすこともでき、また、栄養面でも改善ができます。肉の煮込み料理を作る際には、茶殻を少し加えることで、臭みを消すことができます。だからお茶を飲むだけなんて、もったいないでしょう。

 お茶を淹れるたびに出る茶殻を、余すところなく、どのように利用するか、工夫することも、緑茶の楽しみではないでしょうか。

「お茶は食べても良いのじゃ!!」とバカボンのパパも言ったとか言わないとか。

〈2022年3月 / 茶柱コラムより :旧竹沢製茶HPに掲載分〉

静岡県立大学名誉教授
農学博士  横越英彦   著

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