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茶柱コラム

〈食と美と健康〉ウイルス感染予防とお茶?                      

 2019年12月末に中国・武漢市の海鮮市場での集団感染事例があって、すでに2年を迎えようとしていますが、いまだにその詳細は不明です。日本では、昨年から始まった新型コロナウイルスは、感染拡大の収束の目処が立たず私達の生活を脅かしています。最近では、さらに新型のオミクロン株が出てきて、不安に拍車をかけています。 一方、緑茶は「養生の仙薬、延命の妙術」(喫茶養生記)として約800年間飲み続けられ、また、近年の研究でインフルエンザの予防効果が明らかとなっています。類似のウイルスによるので、新型コロナウイルスに対しては、どうなんでしょうか。

ヒト試験の難しさ

 ある食品(A)をヒトに摂取させ、その効能を調べる試験では、いわゆる偽薬に相当する食品(B)を摂取してもらい、その効果の違いを調べることになります。すなわち、ヒトはそれぞれ顔が違うように個人差があって、また、生活環境も異なります。それ故、同一人に対して、比較したい2つの商品を摂取してもらい、その違いを検討することになるのです。しかしながら、今回のように緑茶の飲用と新型コロナウイルスの感染との影響を調べるとなると、新型コロナウイルスがどこにいるのか定かでないので、同じ条件を2度セットするのは大変です。一番確実なのは、被験者を感染しやすい状況に2度晒し、緑茶飲用の有無の違いを比較するのでありますが、しかし、この試験は健康人を感染させる条件に晒すことであり、倫理上認められていません。

緑茶の飲用が新型コロナウイルス感染抑制につながる可能性について

 ヒトボランティア試験が困難であれば、動物試験(in vivo)か試験管レベル(in vitro)の研究になります。令和3年4月15日に開催された「緑茶と健康シンポジウム」で、緑茶成分の1つであるカテキン類が試験管レベルで新型コロナウイルスの感染抑制に効果のあることが紹介されました。しかしながら、新型コロナウイルス感染者に緑茶を飲用させた時の効果の確認や、緑茶を飲んでいる人の新型コロナウイルスへの罹患率を見る等のヒト臨床試験や疫学調査はまだ行なわれていません。インフルエンザウイルスに対しては、研究の積み重ねがあり、効果が認められています。

 ヒト試験の困難さがあるため、現状では、「緑茶は新型コロナウイルスに効く」等の表示はできませんが、緑茶は、身体に良いとされる成分が豊富に含まれる美味しい飲み物であり、今後も大いに期待し、お茶そのものも、楽しみたいと思っています。

〈2022年1月 / 茶柱コラムより :旧竹沢製茶HPに掲載分〉

静岡県立大学名誉教授
農学博士  横越英彦   著

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