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茶柱コラム

〈食と美と健康〉緑茶アミノ酸テアニン―リラックスだけでなく脳にも良い:1                      

緑茶アミノ酸テアニンとは?

 これは、緑茶特有のアミノ酸であり、お茶のうまみ成分と言われています。それは、抹茶や玉露、また、煎茶でも上等なお茶に多く含まれていて、美味しさと比例しています。私は、多くの動物実験で、テアニンを経口投与したら腸管から吸収され、血液に乗って脳にまで取り込まれることを明らかにしました。また、ヒトボランティア試験では、飲用後、脳波のうちのアルファ波の放出が増えることも証明し、リラクゼーションにかかわっていることも明らかにしました。今回は、脳機能にもかかわっているという研究の一部を紹介します。

受動的・能動的電気刺激回避試験

 この試験はラットが電気刺激を受けたことを、どの程度記憶しているかを利用して調べます。装置は、2つの連結した飼育ケージを用い、片方は明かりをつけることができる明室で、もう一方は周りを覆った暗室で電気刺激を与えることができます。この2つのケージはギロチンドアで連結しています。まず、ドアを閉めた状態でラットをケージに入れ明かりをつけます(明室)。ラットは夜行性の動物であるため明かりを嫌います。そこで、暗室へのドアを開けるとラットは急いて暗室に移動し落ち着きます。しばらくしたら、まず、ギロチンドアを閉めます。そしてラットに電気刺激を与えます(暗室)。すなわち、暗室は電気刺激があり危険であることを認識させます。ラットを普通の飼育ケージに移し安静にし、数時間~1日後に、ラットを明室に入れ、同じことを繰り返します。ラットが、暗室は危険であるということを強く認識していれば、ドアが開いても暗室には入ろうとしません。一方、記憶の弱い場合には、暗室へ移動します。すなわち、明室で躊躇する時間の長さが、記憶力の強さと判断します。結果は、テアニンを与えたラットは記憶力が勝っていました。

 また、同じ装置を用いて、先に暗室に入れ、ドアを開けた時には明室への移動はしませんが、電気刺激を与えた時には、好まない明室に移動します。このことを認識させたのちに、再度試行し、明室への避難状況を測定します。すなわち、暗室にいると電気刺激が来ることを強く認識しているラットは、明室へのドアが開くとすぐに飛び出ますが、記憶が弱い場合には、暗室にとどまっています。この方法でも、テアニンによる記憶力の改善が認められました。

 野球選手は緊張しているとチャンスにヒットが打てず、リラックスするためにガムを噛んでいたりしますが、試験に臨むときも同様で、あまりに緊張していると本来の実力が発揮できません。リラックスと脳機能に役立つ緑茶は、おすすめです。

リラックスしながら機能UPなんて、すごいお話です。

お茶はやっぱりスーパードリンクですね!!

〈2022年10月 / 茶柱コラムより :旧竹沢製茶HPに掲載分〉

静岡県立大学名誉教授
農学博士  横越英彦   著

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