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〈食と美と健康〉お茶の記念日:2月6日は「抹茶の日」                    

 以前に、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとパレスチナの抗争など、人類が引き起こした戦禍により、地球は怒っているのではないかと述べたことがあります。いわゆる自然界で予期せねときにおこる災害です。能登半島地震(2024/1/1)、インドネシアの地震(2023/11/8)、アイスランド南西部の火山噴火(2023/12/18)などは地球が割れたような気さえします。

 そんな時にこそ、五感(味覚、触覚、嗅覚、視覚、聴覚)を刺激することにより、ストレスを軽減しリラックスして正しい状況判断のできることが望まれます。我々の精神活動は、五感により随分と影響されるものです。嗜好飲料はそれぞれ人の好みは違いますが、香りや苦みが好きな方はコーヒー、香りやまろやかな渋みの紅茶、ウーロン茶や緑茶なども、色々と五感を刺激し気分に影響します。

 季節や語呂合わせで〇〇の日というのが沢山あります。お茶についても、日本茶で代表的な日は、栄西が中国から茶の種子と製法を持ち帰ったとされる「日本茶の日」(10/31)が良く知られていますし、新茶が収穫される頃の「緑茶の日」(5月1日または2日)も有名です。2月でいえば、「抹茶の日」(2/6)があります。抹茶の有名な生産地である愛知県西尾市茶業振興協議会が、西尾茶創業120年を記念して1992年(平成4年)に制定した記念日です。なぜ2月6日なのかというと、茶道からの語呂合わせで、茶席で湯を沸かすために用いられる道具「風炉」(ふ-2 ろ-6)から決められたようです。

 抹茶って何か? 回転寿司店で飲む粉茶を抹茶と思っている方もいるのではないでしょうか。一般の粉茶と抹茶は違います。抹茶は「碾茶」の葉を粉砕したもので、普段飲む煎茶とは製法が違います。すなわち、碾茶は収穫の20日以上前から遮光しており、煎茶は日光を遮光しません。遮光することにより茶葉中の成分が随分と影響を受けます。日光を浴びることにより、茶の渋み・苦みの元であるカテキンが生成されます。一方、遮光することによりリラックス効果をもたらすうまみ成分であるテアニンが多く生成されます。テアニンを多く含む抹茶を飲むことにより、ストレスが軽減されリラックス作用により、よく眠れたり、気分が晴れ、集中力が増すことが期待されます。

 災害には、人災と自然災害がありますが、どちらの場合にも、深刻な精神活動のダメージがあります。大変な状況の中でも、お茶を飲めることの余裕があるとよいですね。

静岡県立大学名誉教授
農学博士  横越英彦   著

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