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〈食と美と健康〉お茶の友:茶菓子の効能                    

お茶の一服は、気分を穏やかにさせてくれます。疲れた時やのどの渇きを感じた時に、お茶を飲みますが、現代人は、生活に追われ、常にストレスに晒されているといわれます。そんな時には、甘い茶菓子とお茶がおすすめです。

これまでにも、食べ物と脳との関係を述べてきましたが、脳も体内の一つの臓器ですから、当然、エネルギーが必要です。そのエネルギーは、食べたものから供給されますが、特に、糖分の摂取が大切です。私達は疲れを感じると甘いものが欲しくなります。また、お腹が空くとご飯を食べたくなります。日常食べる食事の半分以上は糖質です。糖質には、ブドウ糖、果糖、ガラクトースなどの単糖類や、それらが2~3個つながったショ糖などの少糖類、あるいはもっと多く結合した多糖類などがありますが、その中でも栄養的に体内でもっとも多く利用されているのはブドウ糖です。主要な糖質源は、このブドウ糖が多数つながったでんぷんです。赤血球や脳はエネルギー源としてブドウ糖しか利用できません。それ故、ストレスなどの脳の疲れをとるには、ブドウ糖を与えることが必要です。

子供のおやつの効果についての興味深い報告があります。アメリカの公立学校で、朝登校してからお昼まで、何も食べなかったクラスと、授業の合間に飴(糖)を与えたクラスでの一学期の勉強の達成度を比較したところ、飴を与えたクラスの方の成績が良かったそうです。これは、飴をもらって喜んで勉強したのかもしれませんが、一方、子供の脳は多くのエネルギーを消費するので、その都度、飴によって補給していたとも考えられます。

糖分を摂取すると脳内神経伝達物質の一つであるセロトニンが増えます。これは、脳をリラックスさせる働きがあります。そこで、お茶を飲むときを考えてみると、例えば、ストレスや仕事で疲れているときに甘い茶菓子(糖分)とお茶を飲むことは、まず糖の摂取によるセロトニンの効果により、穏やかなリラックス感が生まれ、また、お茶に含まれるリラックスアミノ酸であるテアニンとの相乗効果により、さらに安らぎが生まれるとも考えられます。

糖の摂取は血糖を増加させ、糖尿病や肥満との関係で敬遠されがちですが、摂取する量から見ても甘いお菓子は、お茶を飲むときの大変に良い友と考えられます。自分に合った茶菓子を探すのもよいし、毎回、違う茶菓子を楽しむのもよいかも知れません。

静岡県立大学名誉教授
農学博士  横越英彦   著

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