〈食と美と健康〉栄養と脳との関係:お茶はブレインフーズ?:カフェインの効能(その2)

アメリカのボストンで研究生活をしていた時、常に感じていたのは、アメリカ人のバイタリティーは何から来るのか。コーヒーとコーラではないかと、そう思わせるほど、周りの人達は飲んでいた。私は、まだ薄暗い(スタッフがまだあまり出て来ていない)早朝から研究室に出て、当日の実験をスタートしていたが、そんな時、静かな廊下からコーヒーの香りが漂ってくる。そうしたら、早速、カンファレンスルームに向かう。そこには、コーヒーマシーンがあり、入れたてのコーヒーがある。小さな紙コップにコーヒーを入れて、自分の持ち場に戻る。コーヒーがなくなると、誰かが淹れておく。

私は、日本にいるときには、それほどコーヒーを飲んでいたわけではない。しかし、これが習慣となり、早朝のコーヒーを毎日飲んでいた。周りの者たちもコーヒーやコーラの類を相当飲んでいた。コーヒーとコーラのどの成分が人のバイタリティーや精神活動に直接かかわっているのか定かでないが、カフェインではないかと想像がつく。カフェインは覚醒作用、鎮痛作用、疲労回復などの医薬品として使用されているから。コーヒーの場合、カップ1杯に約60mg/100mlのカフェインが含まれている。一方、コーラの場合には、約8mg/100ml 含まれているが、ボトルもカップも日本とはけた違いに大きく、缶ビールぐらいはあるので、カフェイン摂取量も30mgを超える。カフェインのこの覚醒作用は、脳内でのアデノシン受容体への作用で説明される。すなわち、アデノシンが脳内のアデノシン受容体に結合すると疲労感を生じ、カフェインは、これと拮抗することにより疲労の軽減に寄与する。
緑茶にもカフェインが含まれており、そのことがお茶を飲むことへのネガティブな情報として言われている。煎茶に含まれるカフェイン量は、製品、淹れ方などに寄り大きく異なりますが、一般には20mg/100ml程と思われます。抹茶などはさらに多くなります。しかし、コーヒーなどは、カフェインによるマイナス面よりも疲労回復や気分の高揚などのポジティブな情報の方が勝っているように思われます。仕事に疲れ、集中できなくなった時にお茶を飲むと、頭がスッキリして集中でき、また、眠気が消えることがあります。緑茶は、カテキンの抗酸化作用、テアニンのリラクゼーション(精神安定)、ビタミン、ミネラルなど、多くの機能性成分が含まれており、さらにカフェインの覚醒作用・疲労回復作用などが加わった健康飲料であることを、さらにポジティブに捉えられれば良いなと思います。
カフェインの摂取を控えている方は、コーヒーや緑茶についても、カフェインレスを記した製品がありますので、上手に利用したらと思います。
お茶はブレインフーズ?:カフェインの効能(その1)2021.09.02
静岡県立大学名誉教授
農学博士 横越英彦 著
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