|茶の動向
【2025年6月茶市場】一番茶終了。抹茶・粉末茶の原料争奪戦と今後の見通し

碾茶の製造を除いて一番茶が終了しました。今年は抹茶、粉末茶の需要急増で碾茶、モガ茶、有機の煎茶の相場が前年の倍近くになり、市場を通さない直接取引も交え、さながら仕入れ戦争の状況です。海外からのオファーは確かに多くなっており、それに応じた仕入れ計画を各茶商が立てているのですがそれが実需に基づくものかは誰も分からないところです。
煎茶の生産量は碾茶、モガ茶が増えた分だけ減る訳で、そこに昨夏の高温干ばつ、秋の再萌芽、春の低温、芽数の減少等々が重なり昨対20%程度の減少となり、いよいよ需給バランスの逆転が起こった様です。
一番茶の仕上は中むしが2,500円/k、深むしが3,000円/kが供給可能ラインとなり、以下は二茶になりますが一番茶以上に二茶の粉体原料のオーダーは激しくなりそうで、ドリンク原料のオーダーも含めて多くが予約で入っており仁義無き戦いの様相を呈してきました。
鹿児島では二番茶を飛び越して三茶、秋番の確保まで話が進んでいて低価格帯のお茶は単価の改正が必須となりそうです。
出物も同様で、粉体の原料となりそうなものは取り合い状態で単価の低いものは番を加工して作る以外に手は無いのかもしれません。
前年までの記憶を当てにしているととんでもないことになりそうです。
専門店が一番茶、スーパーは二番茶という線がハッキリと引かれる年となりそうで、これからの立ち位置を明確にすることが求められます。
代表取締役 竹澤重人