|茶の動向
【2025年5月一番茶】相場は高値推移!鹿児島・静岡の最新状況と二極化する市場への対策

今年の一番茶が進行中です。各生産地でそれぞれの展開が見られますがこれからの方向性がはっきりしてきた様に思えます。
鹿児島はほぼ一週間遅れのスタートとなり茶畑の碾茶への移行が進んだことで煎茶の絶対量が減少し相場は高目の推移となっています。特に中間場所以降は碾茶の割合が増え上場が限られてくることや、晩手の品種が碾茶になることで例年の確保が不透明になり、早場所での確保に拍車がかかった状態です。特にサエミドリ、アサツユは高止まり感が強く例年の仕入が難かしくなっています。鹿児島では碾茶用の三千五百トンの冷蔵庫や粉体の加工施設等着々と進行しており県内で輸出の体制を完決できる方向に向かっています。
静岡は鹿児島ほどの遅れはなく始まりましたが数量がまとまらず販売先の計画している予定日もあり強目の展開となっています。昨年比四百ha減と言われている茶畑の現状もあって煎茶の需給バランスが逆転するのも近いのでは、と思われます。静岡市の世帯当たりのお茶の購入金額が四年前の倍の一万円を超えました。市の組合が運営する喫茶一茶でお茶の持っている価値を徹底的に伝えた結果で新しいお茶ファンを創造し、今までのお茶飲みさん達を深化させたのです。輸出だけに軸足を移すことなく、足元を固めることがどれだけ大切なことで、私達に出来る事なのか、一日に一人新しいお茶ファンを創れたら一年後どうなるでしょうか?一茶は答を証明しました。お茶に係わる全ての人達がお茶の伝道師としてお茶の素晴らしさを伝えれば、煎茶は今の二倍あっても足りなくなるかもしれません。
代表取締役 竹澤重人