竹沢製茶 静岡の製茶問屋、ODM / OEM

News

お知らせ

茶柱コラム

〈食と美と健康〉生き生きとした表情の美:マグネシウム不足とウインク

 欧米人は顔の表情が豊かである。アメリカで生活していた時、上瞼がウインクのようにピクピクと痙攣したことがある。当時、私は、「アメリカ人はすれ違ったりするとき、常に笑顔で会釈する。私もそれに笑顔で応えていた。その結果、日本ではあまり使わない上瞼の筋肉を使いすぎて痙攣した」と思っていた。しかし、ひょっとしたら食生活に関係があったかもしれない。

 欧米型の食事では、マグネシウム不足を起こしやすい。マグネシウムがずば抜けて多く含まれる食品はないが、大豆や魚、貝、海草、ホウレンソウ、ゴマ、ナッツなどに比較的多く含まれている。肉や牛乳、卵には少ないので、日本食の方がマグネシウムを多く含んでいる。穀類は精白の段階でマグネシウムがそぎ落され、米の場合にも、約三分の二が失われるが、それでも日本人の場合には、穀類からの供給が多い。また、緑黄色野菜の摂り方が少ない人、加工食品の好きな人、お酒を沢山飲む人は、不足しやすいといわれている。

 マグネシウムはミネラルで、体の機能の維持や調節に欠かせない微量栄養素です。ビタミンは元素からつくられる有機化合物であるのに対し、ミネラルは元素そのもので生理作用があります。マグネシウムは、通常、体内に約30gあり、その内、三分の二が骨に含まれています。カルシウムと同様、骨はマグネシウムの貯蔵庫です。その他は、筋肉や血液中に含まれ、エネルギー生成やタンパク質合成のための酵素の作用に不可欠です。すなわち、体内の約300種類もの酵素反応を活性化しています。ビタミンB群とともに、糖質、脂質、タンパク質の代謝や核酸の合成に働きます。カルシウムを骨から溶かしだす副甲状腺ホルモンの合成にも必要です。筋肉の収縮は、筋肉細胞の中にカルシウムが入ることで緊張が高まって起こり、このカルシウムの動きを調節しているのがマグネシウムです。マグネシウムが不足すると、細胞の中にカルシウムが流れ込みすぎて、筋肉の収縮がうまくいかず、痙攣、ふるえなどの症状が出ます。筋肉の痙攣が血管壁でおこると、狭心症や心筋梗塞につながりかねません。マグネシウムはカルシウムの血管壁への沈着を防いで動脈硬化を予防し、正常な血圧の維持や心筋梗塞などを防ぐためにも重要です。

 美しさは表情の豊かさとも言えます。お茶にはマグネシウムも含まれており、ストレスや疲労などで生活のバランスが損なわれているときは、健康維持に役立っていると思われます。

静岡県立大学名誉教授
農学博士  横越英彦   著

-

この記事をシェアする