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〈食と美と健康〉お茶の魅力:スポーツとお茶                    

今年の夏のように猛暑の時には、家に閉じこもっているのが一番で、結果としてテレビを見ることが多くなりますね。しかし最近のテレビ番組のお粗末さ、内容の無さ、あほらしさにはあきれてしまいます。芸能人と称する人達が、美味しいものや珍しいものを食べ、また、ゲームや旅をして自分らで楽しんでいるのを、見させられている気がします。そんな時、筋書きのないスポーツ番組に、どうしてもチャンネルが動いてしまいます。暑い時期には、多量の汗をかくので水分補給が必要であることを前回記しました。多量に汗をかくのは、スポーツをするときにも見られます。スポーツ時の水分補給には、どんな飲み物が良いのでしょうか。ミネラルウォーター、スポーツ飲料などにはそれぞれの持ち味がありますが、お茶もスポーツの時には、とってもお勧めの飲み物です。そこで、スポーツとお茶との関係を見てみましょう。

スポーツは心身を鍛えるという良い面が強調されていますが、相当、体に負担をかけているのも事実です。特に身体運動の場合には、骨格筋や心肺機能に過剰の負荷をかけることにより炎症を起こし、また、酸素を多量に取り入れることから、その酸化による酸化ストレス、筋肉への負荷による筋線維の損傷、体全体の高まる機能の亢進による体内臓器への影響などが考えられます。お茶には、カテキン類、カフェイン、アミノ酸のテアニン、その他、ビタミン、ミネラル、香気成分が含まれており、それらが、運動による身体への障害の予防になるのではないかと考えられます。

カテキンの生理効果については、フリーラジカルや酸化ストレスを緩和する抗酸化作用が良く知られています。また脂質の燃焼、例えば、貯蔵脂肪の分解を促進し、脂質代謝を亢進しエネルギーを供給することでスポーツのパフォーマンスを上げることが可能です。具体的には、カテキンは、肝臓や筋肉内のミトコンドリアで、脂肪酸を燃焼する酵素の遺伝子レベルでの活性を高め、エネルギー源を保証します。これらの代謝にはビタミンやミネラルも必要なことから、お茶の飲用は、スポーツに効果的と考えられます。中枢神経興奮作用のあるカフェインにも脂肪の燃焼を促進する作用があり、疲労の回復や骨格筋の持久力にもかかわっています。テアニンには、興奮作用を鎮め、リラックス作用、脳神経機能全般の調節にも寄与していると考えられます。お茶の香気成分についても、興奮した身体の鎮静化や疲労の回復にとっても有効です。

これらのことから、スポーツをするときには、水分補給だけでなく、そのモチベーション、パフォーマンスを上げ、運動後の身体の鎮静化や疲労回復のために、緑茶は有効な飲み物であると考えられます。特に甘味料が含まれてはいないので、口腔内をすっきりと爽やかにすることもメリットと思われます。

静岡県立大学名誉教授
農学博士  横越英彦   著

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