|茶の動向
【茶業者向け解説】2025年7月、二番茶が記録的品薄・価格高騰。茶業界に何が起きているのか?

二番茶がパブっています。昨年が安過ぎたこともありますが鹿児島、静岡共に2倍から3倍の相場です。品質から見ると完全に尻上がりになっていて手が着けられない状況です。
抹茶ブームで碾茶向け、粉末茶向けの畑が増えたことで煎茶用の畑が相対的に減ったこともありますが天候要因が重なり、ドリンク向けや量販店向けの商品原料として数量確保が先に立ち過去に例をみない展開です。二番茶ストレートの仕上げ茶でも普通蒸し中蒸し深蒸し問わず二千〜二千五百円/kgが最低ラインとなりそうです。それ以下は番茶混じりか番茶ストレートにならざるをえず古茶とのブレンドをしても長くは続かない状況が現実となっています。
その秋冬番茶ですらすでに予約の取り合いで単価数量共に予想が全くつかない現状です。これが今年だけなのか、来年以降も続くのか、誰も答えを持っていないところですが、値頃からいって成立しない商品が山ほど出てくるのは事実です。出物である棒茶、粉茶、頭柳等も右に習えですから販売価格の大幅な変更や統廃合は必至となり店頭での混乱が心配されます。比較的相場の変動の少ない一番茶の高品質帯を中心に品揃えを切り替えていくことが求められますが、現実は難しい選択となりそうです。「お茶の価値を伝えるコト」改めてこのコトが全ての基本にあるのではと思わせます。
代表取締役 竹澤重人